転章 アレクトは笑いをこらえきれずにいた。 「あはは。本当によくやってくれたわ」 彼女の手には血星石がいくつも握られている。 信也に対する憎悪で、正也は何人もの人を切った。その時に流れた血でピュ ア・ブラッドが完成してしまったのである。 おまけにNONETにかなりの深手を負わせる事ができた。一石二鳥とはこ の事だ。 「アレクト」 血星石を前に笑みをこらえきれずにいるアレクトのところに、メガイラがやっ てきた。 「メガイラ」 「強い力を持つ石を完成させたのですね。パンドラ様がお喜びになることでしょ う」 「ああ。方法もかなりえげつない手段取ったからな。パンドラ様好みだろう」 頷きあうと、2人は不和姫降臨の間へと闇をすり抜けて行った。