【転章】 「あーん。ティッシー失敗しちゃった。失敗しちゃったあっ!」 闇の中で、ティシポネがじたばたと暴れている。 「うるさいよ、ティシポネ」 「姫に血の花あげるつもりだったのにっ!」 「上手く阻まれましたね……あの忌々しい『NONET』に」 メガイラが嘆息した。 「これからどうする?」 「私は血星石を集めましょう」 「ティッシーも手伝う!」 「じゃ、私は……あいつらを消していこうかな」 アレクトが鎌を弄びながら言う。 「徐々に、順番に、次々と」 「ダメだよアレクト。こーゆう時は真ん中からどかんとやらなきゃ!」 ティシポネは態度を変えて、今はころころ笑っている。 「じゃあ、手始めにリーダーを消そうか」 アレクトは闇の彼方に瞳をすがめ、にやりと微笑んだ。