次の場面は、どこかわからない部屋の一室だった。 照明は暗く、その部屋の中に少女が何人も、壁に背中をもたせかけて、膝を 抱えるようにして座り込んでいる。 年頃は12歳から18歳までといったところか。 黒髪の娘もいるし、茶色の髪の娘もいる。鈍い金髪の娘も、プラチナの髪の 娘もいる。さらに、どこの部にも属さないような赤毛や紫の髪の娘もいた。 どの娘も髪にリボンや花を編み込み、薄物の衣服をまとっている。 そして、なぜか窓には格子がはめられ、ひとつしかない扉も鉄製の頑丈なも のだった。 と、扉が錆びた音をたてて開き、黒衣の男が1人入って来た。 「リリィ」 男の低い声にびくりと反応したのは、輝くばかりの金髪をした、可憐な容姿 の少女。 「少佐がお呼びだ。3番の部屋に入れ」 「……いや」 少女は脅えたように首を振った。 「いやだよっ。だって、あんな気持ち悪いこと……」 黒衣の男は、脅える少女の服の胸倉をつかみあげ、殴りつけた。 「お前は、金で売られてきたんだろうが! さっさと脱いで部屋に行け!!」 「いやだ、いやだっ……!!」 抵抗したのだが、少女の細腕で男にかなうはずもない。 他の娘たちも、哀れむような目で少女を見つめるだけだった。 あっという間に、少女は指定された部屋へと放り込まれてしまった。 大きなベッドと、酒瓶の入った棚のある個室。 中にいたのは、中年を過ぎた卑しい目の男性。 「……おいで」 言うと、男性はたちまちのうちに少女をベッドの上に組み伏せる。 「いや、いや、いやあっ!!」 必死で抵抗する少女の碧色の瞳から、涙があふれてシーツを濡らす。 そこで、場面がぱちりと切り替わった。